フリーズドライ製法とは [食べ物]
インスタント食品などのフリーズドライ製法とは、どんな製法なんでしょう?
・製法の開発
原型を開発したのは、第二次世界大戦中のイタリア軍。
「戦地でもうまいものが食べたい」との思いから、乾燥パスタの技術を応用しようとしました。
そして、1950年代、軍用携行食(レーション)の軽量化を目的に本格的研究が開始されました。
日本では、1970年に永谷園のさけ茶づけ、1971年に日清食品のカップヌードルの具、
として用いられ広まりました。
・昇華
フリーズドライを理解するには、「昇華」という現象を理解しなければなりません。
昇華とは、「固体が液体を経ずに、直接気体になること」をいいます。
常温で昇華が起こるのはドライアイスや防虫に使う樟脳などです。
・フリーズドライ製法とは
水分を含んだ食品や原料を、約マイナス30℃で急速凍結します。
そのまま減圧し真空状態にすると、食品中の水分は氷の結晶から水蒸気へと昇華します。
水蒸気を抜いて真空状態を続けると、乾燥食品ができます。
・蒸発との違い
通常の乾燥方法では、水分は蒸発させて除去する事になります。
乾燥時の水の移動等により、食品の形状や組織の質が大きく変化。 深部の乾燥も困難です。
水で復元する際には復水困難な部分が生じます。
水分を氷のまま昇華・除去すると、形状や成分の変化が少なく、色・香・味・栄養価は保たれます。
また、乾燥時にスポンジのような多数の小さな穴が開いた多孔質となるため、内部からも乾燥し、
復元性にも優れているのです。
世界のミリメシを実食する―兵士の給食・レーション (ワールド・ムック (612))
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